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1-1 フッ素とは? |
1 フッ素元素とは何か? |
フッ素は、私たちの身近な自然環境の中にあるハロゲン族元素のひとつで、元素記号F、原子番号9、原子量19の元素です。天然には、螢石、氷晶石、リン灰石として産出しますが、空気、土壌、地下水、海水はもとより、海中で暮らす魚介類や海藻、土で育つ穀物、野菜、果物にも含まれています。そして、人間の体の組織、とくに歯や骨にもフッ素が含まれているのです。
いろいろなものに含まれるフッ素の濃度
自然界 |
河川水・湖水 |
ほとんどが0.1ppm以下 |
海水 |
ほぼ1.3ppmに安定 |
土壌 |
痕跡程度から数百ppm(平均200ppm) |
食品 |
自然塩 |
2〜20ppm |
めざし |
7〜40ppm |
肉類 |
0.3〜1.5ppm |
野菜類 |
0.1〜0.5ppm |
緑茶・紅茶 |
0.2〜0.8ppm |
コーヒー |
0.2〜0.3ppm |
牛乳 |
0.1〜0.3ppm |
人体 |
骨 |
500ppm |
歯エナメル質 |
平均100ppm |
象牙質 |
平均300ppm |
*ppm→parts per millionの略。微量な濃度を示す表現で、百万分の1をあらわす単位。
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2 フッ素の所在 |
天然の中では、螢石(フッ化カルシウム)、氷晶石(六フッ化アルミニウムナトリウム)などの化合物として存在しています。海水中にも約1.3ppm含まれていて、魚介類や海藻には2〜10ppmのフッ素が含まれています。また乾燥したお茶の葉もフッ素を含んでいます。
適量のフッ素は、むし歯をつくらないために、また正常な骨格づくりに欠かせない必須元素の一つとされています。
人類の健康と栄養改善を目的とする国連の2機関(WHO=世界保健機構、FAO=食糧農業機構)は1974年に発行した「人の必須栄養所要量に関する手引書」の中で、必須栄養素の一つとしてフッ素をあげています。また、FDA(米国食品医療薬品局)もフッ素を必須栄養素の中に加え、米国国立科学研究委員会は、フッ素の一日所要量を成人で3mgと提示しています。 |
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1-2 フッ化物とは? |
1 フッ化物とは何か? |
フッ化物でむし歯予防に効果のあるものは、次のようなものがあります。
医薬部外品 |
フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ |
医薬品 |
フッ化ナトリウム、フッ化ジアンミン銀
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2 どんなところに使われているか |
口腔保健の分野では、むし歯予防にフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ化物を利用しています。そのほかに、高分子、界面活性物質、医薬、農業など広い領域で利用されています。 |
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