日本歯磨工業会 歯磨公正取引協議会
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3. フッ化物の口腔衛生領域への応用
3-1 プロフェッショナルケア
1 歯科専門家が実施するフッ化物の歯面塗布
歯科医師や歯科衛生士などの専門家が直接、歯の表面にフッ化物を塗る方法です。現在、予防歯科や小児歯科でもっとも広く行われているのは、リン酸酸性フッ化物溶液(APF溶液)を用いた年1回塗布です。ゲル塗布は扱いやすいので、かなり一般的になりました。むし歯予防効果については高い予防効果が得られています。
2 フッ化物配合洗口液
a. 日本での利用状況
  比較的低濃度のフッ化物配合溶液を少量口にふくみ洗口をします。このフッ化物配合洗口法は、「簡便」「高い安全性」「確実な予防効果」「優れた経済性」など公衆衛生特性に優れていることから、保育所や幼稚園、学校など集団で行うのに適した方法です。むし歯予防を必要とする人の自己応用法として、永久歯のむし歯予防を目的に行われています。
b. 海外での利用状況
  むし歯予防先進国の欧米では、フッ化物配合洗口液が高濃度では医療用医薬品として使用されている例もありますが、一般的に、ヨーロッパでは化粧品として、アメリカでは店頭で購入できる一般用医薬品として、フッ化物配合歯磨剤とともに消費者に広く普及しています。
c. 日本での認可について
  わが国では、医療用医薬品としてフッ化物配合洗口液が厚生労働省に承認され歯科医療等で使用されているほか、最近では一般用医薬品(第1類)として承認され、薬剤師のいる店頭での購入も可能となりました。しかし、依然として、医薬部外品としては販売されていないので、その利用には制限があります。地域によっては、保育所・幼稚園や小学校などで医療用医薬品洗口液を利用して洗口を行い、大きな成果を上げています。今後はこれを医薬部外品として承認されるよう厚生労働省に働きかけていきます。

日米欧におけるフッ化物配合洗口液の適用状況
分類 日本 米国 欧州
医療用医薬品
一般用医薬品 ×
医薬部外品 × - -
化粧品 × ×
-(区分が無い)

3-2 フッ化物配合歯磨剤(セルフケア)
1 フッ化物配合歯磨剤の働き
むし歯の症状は、歯の表面のミネラルバランスが崩れて進行するといわれています。だ液にはミネラルがたっぷりと溶け込んでいて、だ液のpH緩衝作用により、いつでもミネラルを結晶化(再石灰化といいます)できる状態に維持しているのです。歯の表面がデンタルプラークの作る酸に溶かされ続ける(脱灰といいます)と、歯に穴があいてむし歯になります。
フッ化物配合歯磨剤で毎日歯みがきを続けると、歯磨剤中のフッ化物が歯の表面に作用し、歯のエナメル質に反応して、耐酸性の強い結晶をつくります。フッ素は、歯の再石灰化を促して歯質を増強したり、むし歯の原因菌に作用して酸の生成を抑制するなど、むし歯の予防や治療に大きな役割を果たします。
2 どんなものがあるか
フッ化物配合歯磨剤とは、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化スズ等のフッ化物を配合した歯磨剤をいいます。これらは、世界の多くの学者によって、むし歯予防に十分効果のあることが臨床的に証明されています。わが国では現在、多くの歯磨剤にフッ化物が配合されています。フッ化物配合歯磨剤を使った歯みがきを習慣にすれば、むし歯の予防効果に大きな力を発揮します。
3 日本における浸透度
わが国で初めてフッ化物配合歯磨剤が市販されたのが1948年。50年代にはこども歯磨剤を中心に普及がすすみ、モノフルオロリン酸ナトリウム配合の歯磨剤が発売された80年代初めには10%を超えるシェアをもつほどになり、現在では重量ベースで90%以上となっています。
近年、口腔衛生学会などで啓発活動がすすめられて理解が深まるとともに、シェアも増加傾向となっています。しかし、わが国で広く医薬部外品まで商品化が認められているのは、この歯磨剤に限られています。
4 海外での利用状況
フッ化物配合歯磨剤は世界各国にあって、欧米ではフッ化物入りのむし歯予防歯磨剤が主流です。スウェーデンやフィンランドのように、予防歯科プログラムの中にフッ化物配合歯磨剤を組み入れている国もあり、イギリスやアメリカでは歯磨剤の9割以上がフッ化物入りの歯磨剤で占められています。

世界的なフッ化物応用の状況
応用法 世界的利用者数
全身 フッ化物配合牛乳 100万人以下
全身 フッ化物錠剤 1500万人
全身 適度なフッ化物含有天然水 1800万人
局所 専門的局所フッ化物応用 3000万人
局所 フッ化物配合洗口液 1億人
全身 フッ化物配合食塩 3億人
全身 フッ化物濃度調整上水道 3億7千万人
局所 フッ化物配合歯磨剤 15億人
The oral health atlas 2nd ed.:FDI World Dental Federation; 2015
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